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〝名探偵〟の運命

5月30日 午後3時32分  アリアが自分の席でのんびり梁の数を数えながらコーヒーを待っていると、由佳とかいうOLの方が先にトイレから戻ってきた。角を曲がりアリアの席の横を通り過ぎた瞬間、香水のキツい匂いが鼻を刺し、アリア...

泡のラテアート

5月30日 午後3時19分 「いらっしゃいませ」  頑丈なホワイトオークのドアをくぐると、心安らぐ木の匂いに混じって焙煎されたコーヒーの甘い香気、そしてほのかにパンが焼ける香りがアリアを出迎えた。 ...

プロローグ

西暦 2044年 7月  頭上を星が流れていく。  夜半過ぎに南天より零れ落ちた流星群は今や夜空を流れる黄金の大河のようだ。道の両側に生えるスダジイやアカガシ、ヤブツバキからなる雑木林のシルエットが夜空を細長...

アナタが犯人です

そうして〝名カ探ノ偵ジョ〟は私が事件を起こす前に全ての謎を解き明かした……。 6月4日 午前11時43分  マッチをこする小気味良い音が響く。  激しく燃え上がった炎は熟れた鬼灯のように紅い。けれどそれも最初の一瞬...

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